「終止符」

日本語の慣用表現で、「〜に終止符を打つ」というやつがある。単純に言えば終わらせる、終わりにするという意味である。場合によっては「ピリオドを打つ」とも言われる。
そう、終止符はピリオドを指す言葉。つまり、外国語における記号を指す用語なのだ。なぜ「.」なのか。なぜ「。」ではないのか。「〜に句点を打つ」という表現は聞いたことがない。
実は句読点というやつも、古来日本語にはなかった。古文の原典などには書かれていない。wikipediaによると、欧米言語のカンマやピリオドに対応して導入されたものらしい。ということは、「終止符」のほうが「句点」よりも古くからある言葉、ということなのかもしれない。
ちなみに、用法が似ている慣用表現「けりをつける」というのがあるが、この「けり」ってのは「むかし男ありけり」等の助動詞「けり」である。なぜ「なりをつける」や「たりをつける」ではアカンのかというと、和歌などの最後は「けり」が多いから、らしい。文末に使うからという由来は終止符のそれに似ている。
…ちなみに、ここ最近私が何かに終止符を打ったりけりをつけたりしたという話は特にない。悪しからず。