お久しぶり

久しぶりに、文部科学省に行ってきた。目的は、平たくいうと「お金ちょーだい」。
文部科学省虎ノ門にあるんだけども、耐震改修などのためにしばらく丸の内の仮庁舎に移転し、2年ほど前にまた虎ノ門に戻った。私が在籍していた頃はちょうど丸の内の仮庁舎時代で、実は虎ノ門庁舎には一度も行ったことがなかった。だから、久しぶりではあるんだけど、ある意味では初めましてでもある。
用務内容については割愛するけれども、何というか情けないなと感じたのは、相変わらずの強制的「省エネ」。
廊下の電灯は3分の1くらいしか点いてないし、トイレの温風乾燥機にも「省エネのため停止中」。だったら最初から設置しなければいいのに、と思う。それより何より、あんな薄暗いところで仕事をして(もちろん部屋の中は明るいけど)、よりよい明るい日本が築けると思ってるんだろうか?目的が省エネ=CO2と経費の節減である以上、景気が良くなろうが、税収が増えようが、今後あの廊下が明るくなることはおそらく絶対にない。しかし中央官庁の廊下が薄暗いということには、この国の未来も暗澹としたものであることを感じてしまう。
景気が悪いから支出を控えるのは間違いで、支出を控えているうちは景気が良くなることはないんだから、不景気なときこそ金を使おう…という理屈がある。これは、支出=経済活動という直接的な関係から言われることだが、「景」「消費マインド」どちらも人間の気分を示す言葉が含まれている。どんな高度な理論や緻密な計算に基づくプランも、最終的には気分によって大きく左右されるということはありうると思う。そして「暗い」という言葉には気分をプラスに向ける要素など全くないのだから、節約はもっと別のところでやって欲しい。「不夜城」という言葉には長時間労働、残業というネガティブな要素もあるが、やはりそこには活気を感じる。
この国の未来を明るくしたければ、まずは廊下から明るくしてほしい、と思うのは私だけなんだろうか。