脱・官僚?

日本郵政の次期社長が官僚OBの斎藤氏に決まったことについて、当然ながら自民・公明は「わたりだ」「脱・官僚はどこへいった」と言い、民主党は「退職後10年経過しているんだし、OBだからといってどうということはない」と言う。私も、政権とってまだ1ヶ月かそこらやねんから、何とかして官僚経験のない人を引っ張って来れなかったのかと思う。言うたことはちゃんと守りまっせという姿勢を、多少無理をしてでも示さないと。
でも、政治家の人脈が狭いせいかもしれんけど、単に引き受けてくれる人が他にいなかったんじゃないか?とも思う。日本郵政の社長の座って非常に注目が高い。それも、「何をしても文句を言われる」というタイプの注目を浴びる可能性が十分あるわけで、いわば火中の栗に近いところ。下手すれば、勝手に悪者に仕立て上げられて詰め腹を切らされるおそれもある。それでも、自分が世話になった会社のためなら、あえて火中の栗を拾う人もいよう。たとえば不祥事続きのJR西日本現社長、佐々木さんは会見で「会社には育ててもらった恩義がある。逃げるわけにはいかない」と言っている。しかしこの不景気で自分とこの会社も大変やという時に、その職を捨てて日本郵政の社長になってくれる人なんて、そうそういるもんじゃない。それでも国のために、民主党政権のために、縁もゆかりもない日本郵政に行きましょうってな思考回路の持ち主は、とっくに民主党の議員になっているか、あるいは最初から公務員としての人生を歩んでいるだろう。
結局のところ、何らかの見返りがないとこんな職に就くわけない。日本郵政の西川前社長は民間出身だったわけだが、オリックスへの怪しげな「かんぽの宿」売却問題など(オリックス筆頭株主と西川氏は関係があるらしい)、甘い汁を吸いたくて就任を引き受けたと見られている。だったら、官僚OBだとかどうとか、小さなことに目くじら立てても仕方ないのかな、とも思う。能力を備え、経歴にも問題なく、意欲のある人…その難題に対して、100点は到底無理、それならどっかに目をつぶらんと。あとは、見返りの程度の問題。経営がうまくいかなかったり、見過ごせないほどの便宜供与を図るようなら切るしかない。

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私がこの郵政民営化問題で一番気になっているのは、民営化したのに日本郵「政」という文字が使われていること。どういうこと?郵便だけじゃなくて貯金もあるからというなら、「日郵」「ニチユウ」とかでもええんちゃうん。