*[野球}節目へのこだわり

イチローが、日本人通算最多安打記録に並ぶ3085本目を、なんと満塁ホームランで決めた。
「打ったらフライになって、それがスタンドに届いた…という経験は一度もない」というようなことを言っている。つまり狙って打っている(もちろん、狙ったけど入らなかったということはたくさんあると思う)わけだけど、満塁という場面は自分で呼ぶことができない。そこでしっかり放り込むなんて、やっぱり役者が違う。
さて、イチローは100号ホームランを松坂から打ったり、日本での1000本目の安打がホームランだったりするんだけど、こういった節目へのこだわりといえば、落合博満。通算1000本、1500本、2000本目の安打は全てホームラン。狙ってばかりいればやがて達成できるかも知れんけど、それでも数多く打席を要していたらポテンヒットとかの可能性もある。落合は打ったヒットが2371本、ホームランが510本で、本塁打率はかなり高いが、それでもヒットの内任意の3本を抜き出してそれらが全てホームランである確率は0.99%。いや〜、すごい。
でももっとすごいと思うのは、江夏。
江夏は年間401奪三振という不滅の最多記録を持つが、それ以前の年間最多奪三振は稲尾の353だった。それを更新する際、江夏は「王貞治から三振を取って、花を添えたい」と考えた。つまり新記録となる354個目を王から取るつもりだったのだが、計算間違いで、タイ記録となる353個目を王から奪ってしまった。しかし江夏は諦めない。それでも354個目を王から奪うために、続く長嶋からの8人、捕手の森昌彦や投手の高橋一三を含む8人に対し、ヒットを打たれることもなく四球を出すこともなく三振以外で全て打ち取り、あらためて王から354個目の三振を奪った。
ちなみにこの試合は阪神が1-0でサヨナラ勝ちを収めているが、そのサヨナラタイムリーを打ったのは江夏である。