もうすぐあの方の誕生日

ですね。日本中、祝賀モードで満載です。
うちの周りはいわゆる「閑静な住宅街」なのですが、興奮を抑えきれないかのようにイルミネーションで飾り立てた家がちらほらと見受けられます。寒さの訪れとともにこの飾り付けを見ると、そろそろ一年も終わりやなぁと思うわけです。まぁ、私はそういった飾り付けをするのが好きではないので、大掃除をして家中を清めてその日を待っているんですがね。
そう、23日は天皇明仁陛下の75回目の誕生日。法で定められた祝日でもあります。
それにしても不思議です。天皇陛下を表しているとおぼしき老人の姿が町のあちこちで見られるんですが、どう見ても天皇陛下とは似ても似つかぬ服装。赤いコートに赤いとんがり帽子、そんなお召し物は天皇陛下には似合わないと思うのは私だけでしょうか。それとも、心の中ではみな陛下にあのようなはっちゃけた格好をして頂きたいと思っているのでしょうか。陛下に対する親しみの心の顕れと思えば、それもまたよいのかもしれません。が、陛下が国民の家に行幸遊ばすとすれば、間違いなく玄関からお訪ねになるでしょう。煙突や窓から忍び込むという、まるで盗人のようなことは決してなさらぬはずです。あのような大荷物があるとすれば侍従がそれを持つでしょうし、乗り物を引く動物はシカの類ではなく、古式に則りであること疑いありません。なぜあのような老人の絵でもって、天皇陛下のお誕生日を祝うのか、まったく理解に苦しみます。
…ま、冗談はさておき。
うちにはクリスマスプレゼントという風習がありませんでした。正確には私が物心付く前に終わったらしく、兄・姉は「来年からサンタさん来ないから」という悪夢のような宣告を受けたそうです。
なので私はサンタさんの存在を信じたことが一度たりともありません。それを信じさせる要素が我が家にはなかったのです。サンタがいないことを知ったときの衝撃を味わわずに済んだので、幸せ者かもしれません。親戚のおばちゃんからのプレゼントは頂いたものの、クリスマスとはケーキとチキンを食べる日にすぎませんでした。なので、ケーキとチキンさえあれば私は今も満足ですが、学校も仕事も休みになる法定休日と比べてどちらが重要かは論じるまでもありません。
むしろ、クリスマスツリーやらイルミネーションに血道を上げる家がなぜ門松を置かないのか、しめ飾りをしないのか。クリスマスの二日前には天皇誕生日という国民の休日があるのに、なぜ日の丸を掲げないのか。クリスマスの準備は1ヶ月以上も前からやるのに、新年の準備はクリスマス後のわずか5日間というのはいったいどういうことなのか、そもそもクリスマスの主役はイエスキリストのはずなのに、どうしてサンタばかりがもてはやされるのか、宇宙人ジョーンズが思うのと同じくらい、この国の住人が不思議でなりません。