「関東大震災がチャンス」

政治家が、それも阪神大震災の被災地だった兵庫県の知事がこんなこと言っちゃいかん。
どれだけの被害があったか、また被害に遭われた方々がどれほどのご苦労をされたか。ここ数年の1月17日の新聞には、「地震の記憶が風化している」というようなことが書かれているけれど、この発言で裏付けられてしまった格好だ。
でも、一部の学者以外にとっては全く頭の中になかった阪神大震災と違って、関東大震災は来るぞ来るぞとずっと言われ続けているところ。にもかかわらず、日本は東京一極集中を改めるどころかどんどん進めているように思う。耐震、制震、免震などといろんな新技術がつぎ込まれてはいるけれど、全ての建物が耐えられるわけじゃないし、それら新技術だってシミュレーションの産物に過ぎない。
そもそも、たった一人の重篤な妊婦がたらい回しにされ、助からないような医療体制で、どうやって大地震に、重症・軽症入り乱れた数万人の負傷者に対応できるというのだろう。
私は震災で死にたくないので首都圏を避けて生きているが、首都圏に住む私の大切な友人たちにも死んでもらいたくない。井戸知事の発言を不適切だと批判するだけでなく、震災への現実的な対応を望みたいところだ。