たばこは値上げされるのに

酒はどうしてどんどん安くなるんだろう?私が小学生の頃は、タカラ・カンチューハイはたしか250ml入りで1本200円だった。熱い缶コーヒーがまだ「100円玉で買えるぬくもり」だった時代である。なのに、同じカンチューハイの250ml入りは今160円、熱い缶コーヒーは120円になってしまった。安いやつだと350ml入りで140円とか、西友やらの独自商品では88円とか。また、飲みやすさを増すために果汁50%のチューハイなんてのも出てて、一度飲んでみたところまるっきりジュースの口当たりだった。
「これはお酒です」
「未成年者の飲酒は法律で禁じられています」
ちゃんと書いてます、とメーカーは言うんだろうけれども、味と値段があれでは未成年者に対する抑止力などまるでない。まぁ、安くなったのも美味しくなったのもメーカーの努力のたまものではあるのだが、未成年者には飲酒をさせないよう努めるのも酒造業者としての責任だろう。もちろん政府にはもっと大きな責任があるはずなのだが、酒の販売についての免許制度をどんどん緩和し、大型店舗やコンビニなどで容易に手に入れられるようになってきている。世の中が便利になるのはよいことだけれども、たばこばっかり厳しくして、酒はどんどん緩くなるってのはどうしたものか。たばこの害についてはどんどんアピールされ、喫煙という行為自体が悪であるかのように扱われているが、酒だって飲み過ぎると確実に健康を害する。ヘビースモーカーよりも泥酔者のほうが迷惑な気もする。なのになぜ酒には甘いのだろう。喫煙者は少数派だけど飲酒者は多数派だからか。電車の車内が禁煙になって久しいが、酒を飲むことは禁じられてはいない。たばこは全く、酒もほとんどやらない私としては、酒税がもっと高くなっても、禁酒の空間がもっと広がっても、酒類の入手が困難になっても、いっこうに構わないのだが。