守山「山さんラーメン」のラーメン大

運転免許試験場は、琵琶湖東岸(我が家から見れば対岸)の守山市にある。守山市といえば、大学時代リーグ戦の主戦場であった守山市民球場をまず思い起こすが、もう一つ私にとって聖地とも呼ぶべきポイントがある。
それが「山さんラーメン」だ。
大学時代には私の下宿からほど近いところにあったこのお店、年間50回以上足を運んだこともある。一日に2度行ったこともあれば、まだ注文してないのにいつもの特大が出てきたこともある。事情により京都市左京区から守山市に移転してしまったが、今もおばちゃんは私のことを憶えてくれている。
もう若くない私は特大ではなく「大」を頼んだ。おばちゃんの髪も、染めているとは言え白髪がずいぶんと目立つ。でも変わったのはそれだけだ。チャーシューも、スープも、今どきのラーメンと比べるとあまりにもシンプルで控えめだが、うまい。ざくざくと大きめに切られた九条ネギの甘みが何とも懐かしい。絵柄がすっかり薄くなったラーメン鉢に歴史を感じる。
食べ終えて財布から千円札を取り出す私を見て、おばちゃんはレジから小銭を取り出し、厨房から出てきてくれた。

おばちゃん「いくつになったんや」
私「先週30になりました」
おばちゃん「へぇ〜…変わらへんね。また来てな」
私「ごちそうさま。また来ます」

今度は特大を食べよう。特大専用の、青磁色の大きな鉢は今も使われているのかが気になるから。