廃止か維持か、しかないの?

暫定税率の話。政府与党は「全額維持」、民主党などは「完全撤廃」を掲げているわけだが、とても不思議なことに、「暫定税率半減」とか「暫定廃止、本則化」という話題はあまり上ってない気がする。
暫定税率がなくなっては、今年の予算が組めなくて困る」というのは、単なる怠慢のように思える。なぜなら、期限付きの税金である以上、その延長が決議されない限り、その収入はないものとして考えなければならないからだ。たしかにこれは建前論であり、見込み、見切りで話をしないとタイムラグが生じて非効率だというのも分かるが、参院選の結果が出たときに、これがスムーズに決議されない可能性は十分に予測できたはずだ。国交省暫定税率を暫定のものとは考えていないから、先に支出ありきの予算を組んだのではないか。
冒頭に書いたように、現状維持と完全撤廃の両極端の案しか出ていない。その他の案が出てこない理由は、本当に必要な支出額を誰も知らないからではなかろうか。「実は維持管理に最低限これだけ必要で、切望されている道路の拡張にはこれだけ必要で、できることならこれくらい欲しい」という額がきちんと出てくれば、それに見合った税率を設定することができるはずで、それは現在の額と同じとは限らないし、完全撤廃という話にもならないだろう。まぁ、そんな数字を国交省が持っていても、絶対表には出さないだろうけど。
いまこうやって話がグダグダになっているのは、いままでの政治家が誰も税率の本則化をしてこず、小手先で話を済ませてきたツケが来ているだけのこと。民主党のやり方に賛同するわけではないけれど、計算もロクにせず、ただ現状の暫定税率のまま全額一般財源化なんていう結論は、結論を出したことにはならない。問題をまた先送りにするだけである。