再発防止策

レスリングの…じゃない、ボクシングの世界戦で反則を働いた選手やそれを指示したとされるセコンドに厳しい処分が下ったようだ。スポーツ各紙が「天罰」などと煽り立てている中、スポニチ「球児先発転向」。素敵だ。
さて、厳罰を科すことも必要なことではあるが、再発防止のためにもう一つ重要なことがある。それはマスコミが話題を煽らないようにすることだ。この場合の「再発防止」とは、亀田一家が同じことを繰り返さないように、という意味ではない。第二、第三の亀田一家が現れないようにすることこそ、本当の再発防止のはずだ。
産経新聞の記事には、次のように書いてあった。

人気低迷にあえいでいたボクシング界はブームを歓迎、TBSも亀田一家をタレント扱いした。この扱われ方が亀田一家の増長を促したといえる。

この「タレント扱い」という言葉はどういう意味なのか?大辞林によると、タレントとは「テレビ・ラジオなどに出演する芸能人」らしいが、プロスポーツ選手がテレビに出ること自体は何も問題がないはずだ。芸能人という言葉も、「映画・演劇・舞踊・音楽・話芸・奇術など、大衆的な演芸を職業としている人の総称」ということで、本来ならスポーツ選手と大きな隔たりがある職種とも思えない。要するに、「タレント扱いする=チヤホヤする、ありがたがる」という意味に取らなければ成り立たない文章だ。決して「立派な才能ある人として認める」という意味ではない。ただの金持ちだったり、女医だったり、整形美人だったりと、上に挙げられた「演芸」が何一つできないタレントは山ほど作り上げられている。視聴率が取れる話、話題になる話であれば何でも取り上げ、持ち上げ、祭り上げるから、自分が主演した映画の発表会見で偉そうな態度を取ったりする勘違い女優が出てきたりもするのである。
「○○王子」にしても、テレビ局が勝手に名付けて勝手に騒いでいるだけだ。プロの世界で10勝を挙げた楽天・田中と、大学生相手にいい勝負をしている斎藤佑樹。投手としての能力はどちらが上かは論じるまでもない。ゴルフの石川遼も、まだ発展途上の選手。数年後には素晴らしい選手になるだろうけど、それもマスコミが騒いで潰さなければ、の話。
話がそれてしまった。今回の騒動は、テレビ局その他マスコミが自分たちで作り上げた「タレント」の不始末なんだから、責任を感じてもらいたい。再発防止策をとらねばならないのはボクシング界よりもむしろマスコミ業界だ。