落札率

宮崎県で入札改革に臨む東国原知事。県内の建設業者がそれに反発しているらしい。曰く、

  • 落札率80%なんて数字では赤字が出るばかりだ
  • つぶれてしまった業者もいる
  • 落札率は95%以上でないと無理だ

ということようだけど…言ってることがよく分からない。赤字になると分かっている価格で入札するのが悪いんじゃないのかな。入札ってのはそもそも「この価格ならうちは引き受けてもいいですよ」という意思表示なんだから、それで赤字が出るって事はコスト計算ができてないだけだ。自分で入れた金額に責任が取れない業者なんてつぶれて当然。自分とこは1000万じゃないと無理だと思って入札して、他の業者が800万で入れて赤字を出したなら、自分とこの判断は正しかったということ。仕事を取るのは利益を出すためなんだから、赤字になる仕事なんて取る意味がない。
そもそも、落札率という数字の算出方法ってやつは

落札率=落札価格÷予定価格×100 (%)

のはずなので、県側が緻密で厳しいコスト計算をしたら落札率は100%近い数字になったり、あるいはどの入札価格も予定価格を超えるかもしれないし、ちょっと甘めに見積もったら80%でも利益が出ることはあるだろう。むろん、この予定価格など業者が事前に知ることができるはずがない。自分なりにきっちり見積もって入札する、という当たり前のことができてないから、あくまで結果に過ぎないはずの落札率95%以上なんていう数字ありきの議論を持ち出すんだろう。
「赤字になると分かっていても入札しないわけにはいかないんですよ」とおっしゃる方もいるだろうけど、その理由を合理的に説明して欲しい。必ずどこかに「つながり」とか「義理」とか「今までの経緯」みたいな言葉が絡んでくるはずだ。