新型デミオ1.3C

ヨメが出かけていて暇だったので、100円ショップや業務スーパー、そしてホームセンターアヤハディオという安上がりショッピングに精を出した後、気になっていた新型デミオを見るべく、近所のマツダに行ってみた。
表に展示されていたのは1.3L 4ATの13Cというモデル。色は、今回のデミオのイメージカラーである緑だった。店員が来る前に、とりあえず外観をなめ回すように見てみた。RX-8と同じデザイナーの手によるものというだけあって、スポーティな感じだ。丸っこいかわいらしさを求めた日産のマーチやトヨタヴィッツとは違う。車内空間を広くとろうとして全高が1500mmを超える車が多い中、1475mmと低めになっているのは個人的にうれしい。
ドアを開け閉めしてみた。燃費の向上を求めて車体を軽量化すると、ドアも当然軽量化の対象となる。ところが軽いドアは、閉めるときの音も「パコーン」と軽いものになってしまう。鉄板が薄いことが原因だろうか?ところがデミオのドアは「バスッ」と実にいい感じの音を立てる。うれしくなってついつい「バスッ」「バスッ」とやってしまった。実家にあるヴィッツと総重量は変わらないはずなのに、ドアの開閉音については重みが全然違う。どういうからくりなのだろう。
運転席に乗り込もうとしたあたりで店員さんが登場。鍵を持ってきてくれたので、エンジンをかけてみた。今乗っている車は2Lの直列6気筒なので、静粛性や振動という点で直接比較になるわけないんだが、価格も半分、燃費も半分。1.3Lクラスの車としては静かだし、耳障りな音質ではないと思う。
「よかったら試乗されますか」との言葉を聞き、見て帰るだけのつもりだったのがついつい運転してしまった。市街地をメインとするならパワーなんてこれで十分。ハンドルを切ったり凹凸を乗り越えるときの車の挙動もいい。ヴィッツが小さな凹凸も過敏に拾ってポンポン、ヒョコヒョコとよく跳ねるのに比べれば、ちゃんと路面をとらえて粘ってくれる。またステアリングも、ヴィッツは小回り優先で切れ角を大きくしているせいか、ある程度以上ハンドルを切るとそこから先は手を離してもどんどん切れていくという危険きわまりない現象が起こるのだが、今日乗ってみたところではデミオでそんなことはなかった。ちょっと軽すぎる気はしたが、切ろうと思った分だけハンドルが切れる。
交通量が少なく、幅の広い直線に出たので、ちょっと踏み込んでみた。さすがに音も高まるし、1.3Lだけあって音質も軽い感じだが、やかましいと感じるほどではない。CVTだとまた回転数の変わり具合が違ってくるんだろうから、CVT搭載の実家のヴィッツと比べるのは不適切だが、ヴィッツの方が耳障りだった。
気になったのはブレーキ。女性向けに小さな踏力で効くように作られているのか、少し踏んだだけで強く効く割に、それ以上の踏みしろがない。ヴィッツもその傾向があるけれど、これはデミオに改善の余地があるように感じた。VWニュービートルなどはこのあたりが実に良くできていて、踏んだら踏んだだけ走り、止まる。1.6Lのエンジンなんだけど、走っていてとても気持ちがよい車だったりする。とは言え、あれも220万。このデミオより100万高いと考えればやはり比較の対象とすべきではないか。
シートの張り地もちょっと安っぽく感じたけれど、まさかレカロに積み替えるわけにもいかないし、我慢するしかないのかな。生地には撥水加工が施されていて、ジュースなどをこぼしてもはじいてくれるらしい。ただしこういった加工は摩擦に弱いのが常だから、あまり期待はできないかもしれない。
総じて見ると、気持ちよく乗れる車だと思う。何よりカタログ燃費が20km/Lを超えるとなると、大げさな話ではなくて今の車の2倍走るわけだ。近いうちに買うということは経済的事情が許さないけど、平成20年度のうちには買っているかもしれない。