「国民総背番号制」

住基ネットが立ち上がるとき、国民全員に番号を振り分けるという話になって、「人間を番号で管理するなんて、人権軽視だ」という意見が出た。「国民総背番号制」でググッてみればばしばし出てくる。
いま、年金の記録がぐちゃぐちゃになっていて困っている人がたくさんいるんだけれども、「本波(ほんなみ)」さんが「もとなみ」さんと読まれたり、同姓同名の方がいたりするために記録がうまく統合できてなかったということが原因の一つらしい。情報システムの構築に携わったことがある人ならば誰でも(そうでない人でも少し考えれば)、こういった場合に唯一無二のコードが振ってあるということがいかに重要か、分かるはずだ。何人いるか分からない名前や、何度でも変えられる住所など、何の頼りにもならない。もっと以前から、年金記録を番号によって管理していれば、こんなことが起こる確率は格段に下がったはずだ。そして、年金番号と他の個人情報を番号によって結びつけてあれば、追跡はもっと容易になる。
政府の発案した政策が全て良いもの、効果的なものであるはずはないので、国民やメディアはそれに対してきっちりと批判をしなければならないが、ただ生理的な嫌悪感だけでギャースカ騒いではいけない。そして政府も、国民が嫌悪感や疑念を抱いているなら、それをきれいに取り除くための努力をしなければいけない。大変なことだけども、それをしてもらうために国民は税金を支払っているのである。