どうして公舎に住まないの

知事や市長に当選した人が時々「公舎は利用しない」なんてことを言う。公舎に住まないということが、その自治体の財政再建に役立つのだろうか?基本的に建物というやつは、建てるときに建築費がかかり、建ててしまえば維持費がかかる。つまり潰すまで金がかかり続けるわけで、いわゆるハコモノ行政を批判する立場からすれば、建てる金を減らすことと、維持費を減らすことと、利用料収入を増やすことを考えねばならない。だから、建てようかという計画段階のものは中止するなり練り直すなりして経費を削減し、建築中のものはすでにかかっているコストとこれからかかるであろうコストを天秤にかけるということになろう。しかしすでに建ってしまっている建物については、出て行くコストはもう決まってしまっているのだから、できる限り利用率を上げるほうが有効なのではないのか?広い邸に住むということは市民の感覚に合わない、とか言われても、一般市民に比べてはるかに多くの来客があり、彼らを待たせるスペースも必要となるのだから、広くて当然なのである。規模に対してあまりにも格安すぎるというなら、自分で家賃を上げれば良かろう。広いとか豪華だとかいうのは、それを建てた者の責任であるが、同時に過去の問題でもある。自治体の長たる者は、その自治体の状況を現在という時点において把握し、その富を最大限に活用すべきなのであって、公舎や公邸に住んで過去の無駄遣いから少しでもモトをとり、家賃や光熱費を払って維持費の支出に貢献するべきである。加えて緊急時にどうするかということも考慮すれば、もう公舎や公邸というやつに住む以外の選択肢などないと私は考える。