旧友と恐竜

先週、高校時代の同級生にしてラーメン部の部長・P-chanから連絡があった。

富山での学会の帰り、日曜に、福井でコタに会う予定。

コタは、同じく高校の同級生。卒業以来14年、一度も会ったことがない。唯一連絡を交わしたのは、mixiでのマイミク申請メッセージだった。こんな機会はまたとない、私も混ぜてもらうことにした。昼前に福井駅でP-chanと合流、あとは成り行きに任せる感じ。
つい先日普通列車で静岡まで行ったばかりの私にとって、隣県福井までの道のりなぞ何ということもない。雷鳥サンダーバードが案外高いこともあり、朝は普通列車で行くことにした。新快速で敦賀まで、そこからは各駅停車金沢行き。敦賀の先は自動改札に対応していないので、車掌が検札に来た。名前は小木さんだったが、むしろやはぎに似ていた。合計2時間半で福井に着いた。
数分前に着いていたP-chanと無事合流し、まず考えねばならないことは

  • 昼飯何にする
  • 今からどないする

の2点。コタはしばらくあとで合流とのことだった。なぜか持っていた「まっぷる福井」を参考に、食べるとしたら越前そばかソースかつ丼。行先は…遠いけど恐竜博物館かな、と思っていたら、P-chanも手元に恐竜博物館のパンフを持っている。行先は、決まった。昼飯は駅前のソースかつ丼で適当に済ませ、恐竜博物館入場券+「えちぜん鉄道乗り放題」+勝山駅から博物館の往復バス券がセットになったチケットを買って乗り込んだ。一両編成でワンマン運転にも対応するが、女性アテンダントも乗り込んでいた。こういうのは風情があっていい。
乗客はわずか10名あまりだったが、その中に高校の同級生・Mらかみの親戚としか思えない風貌のおっさんが乗ってて噴いた。正視に堪えない。何だったんだ、あれは。電車は終点の勝山まで乗っていたが、博物館には来なかった。
我々がなんとか正気を取り戻した頃には、バスは福井県立恐竜博物館についた。この建物、故・黒川紀章氏の設計らしく、なかなかに目を引く。福井県、これはかなり金と力をつぎ込んでいるようだ。日曜ということもあり、駐車場はほぼ満杯。中もかなりの人、小学生くらいを連れた家族が目立った。


正直言ってかなり甘く見ていたのだが、この博物館はかなり良い。恐竜の発掘というものを本気の観光資源として取り組んだことが伝わってくる展示内容だった。複製の骨格標本だけでなく、本物の化石標本を惜しむことなく展示し、また解説もしっかりしていた。当然、恐竜の展示がメインではあるが、植物の進化、哺乳類の発生、そして化石人類から現生人類と、地球上の生物史全体の流れについても質量ともに充実している。一息に見て回るのはかなりつらい。入館から2時間半は休まず歩いたが、それでもすべてを見て回ることはできなかった。

またおもしろいのは、恐竜のロボット。これがまたよく動く。ちょっとこわめの肉食竜をモデルにしているから、子どもが怖がって泣く泣く泣く。動画をmixiのほうにアップしているので、まぁ見てやってください。
さて、コタも博物館に到着し、中を一通り見たというので、我々も切り上げて彼と合流。「デブってたりハゲてたりして、判別できんかったらどうしよう」…何せ14年ぶりである、そんな不安もよぎったが、お互いにほとんど変わっていないということがよく分かった。ごく普通に違和感なく、再会。中高の6年間の付き合いの後、14年も空白があっても、案外スッと入れるものだということに驚いた。
そこからは彼の車に乗って市内へ。途中、私とP-chanのお気に入りである黒龍酒造の蔵元で試飲&購入といこうとしたが、あろうことかこんなところでも定休日の罠。ダメだ、おれたちは二人集まるといつもこうだ。そのあとも少々ウロウロしつつ、17時を回ったので早めの晩御飯・焼鳥の秋吉に向かった。「やっぱ本店がええよね」コタの一言にうなずき、着いてみるとなんとここでも日曜定休!くっそう、呪われているのか。どの装備品がダメなのだろう。たまたま同じブランドの腕時計をしていたから、それかもしれない。
しかしあきらめたらそこで試合終了だ。iモードの力を借りて秋吉の店舗情報を調べ、日曜に開いている店を探す。コタの車のナビで、その中から一番近い店を探し、秋吉豊岡店に無事着いた。