キンタローマン

南足柄市が公募した「金太郎キャラクター」について、「キンタローマン」なるキャラが市民投票で1位だったにもかかわらず、最優秀賞は投票で12位だったキャラに決まったらしい。「商品化しやすい」デザインを選んだのだそうだ。神奈川新聞に詳しい(コチラ)。

ヒーロー「キンタローマン」敗れる、投票1位なのに…/南足柄PRキャラ

 南足柄市などがデザインを公募した「足柄山の金太郎」をモチーフにした観光PRキャラクターに寄せられた戦隊ヒーロー風の作品「キンタローマン」。子どもから圧倒的な人気を集め、市民投票では126票を得て断トツの1位。だが、デザインが奇抜過ぎたのか、最終審査では、投票12位(13票)の作品に最優秀の座を奪われ、2番手の優秀賞に泣いた。「まさかの大逆転」と市民や市議からは疑問や驚きの声が上がっている。
 「気はやさしくて、力持ち」で知られる金太郎。南足柄周辺では、幼少時に夕日の滝で産湯をつかい、足柄山で山うばに育てられたという伝承が残る。
 地元のヒーローを町おこしに使おうと企画されたのがPRキャラの公募。市ホームページで昨年8月中旬から約1カ月間、デザインを公募したところ国内外の504人から計697点が寄せられた。
 1次審査で51点に絞り、市などは最終審査の参考にと市民投票を実施。特に若者の意見を取り入れようと小中学校などを回覧した。
 金太郎がピンク色だったり、女の子だったり。愛らしくユニークな作品が集まる中で、異彩を放っていたのがキンタローマンだった。甲冑(かっちゅう)風の衣装を身にまとう筋肉質の成人男性。「金」の赤い腹掛けに、ふっくらと健康そうな男の子が斧(おの)を担ぐという一般的な金太郎像とは違う奇抜さが目を引いた。
 市民投票では2位の作品(78票)に大差をつけた。「小中学生から圧倒的な人気を集めた」(市)。市によると、昨年暮れの最終審査には市長や有識者らが審査員になった。キンタローマンを「斬新」、「若い世代には人気が出るかも」と評価する声もあった。しかし、奇抜さに難色を示す意見や「キャラクターグッズを作りやすい方がいい」との意見が大勢を占め、結果は次点となった。
 キンタローマンに投票した少年は最優秀の作品を見て「これもいいけど、126票が13票に負けるなんて」と驚く。ある市議は「市民と審査員の感覚にずれがありすぎる。市民投票なんてやらなければいいのに」と話す。
 市の担当者は「市民投票の結果を無視したわけではない」とし、「キンタローマンなど2点の優秀作も最優秀と同様に著作権を取得し、観光PRに使いたい」と説明する。最優秀賞には現金10万円、優秀賞は現金2万円が贈られる。

一次審査をクリアした51点は同市役所のサイトに公開されている(コチラ)ので見てみたんだが、どれも似たり寄ったり、二頭身のいわゆる「ゆるキャラ」。そこへきてキンタローマンはすらりとした特撮ヒーローっぽい感じで目を引く。他のキャラがつぶし合いをする中でダントツの得票を得たのもうなずける感じだ。商品化は難しくても、着ぐるみより全身タイツの方がきっと安上がりだろうから、活躍を期待したいところ。
それはともかく、金太郎をモチーフにしたキャラといわれれば、個人的にはにわのまこと大先生が描いたサカタ・ザ・ゴージャス・キンタロウを推したい。もう20年以上前の作品だが、あのブッ飛んだ感じはそうそうない。