アパカバール

ここにもちょくちょく顔を出してくれるZAX君は現在マレーシア在住。この夏、彼を訪ねてマレーシアに行く予定を立てていて、いろいろと情報を収集しているのだけれど、現地の言葉で「こんにちは」は「アパカバール?」と言う、というのを知った。まぁ、How are you?の意味合いに近いらしいが、出会ったときの挨拶なんだから、日本語に直せば「こんちはー」で間違いではないだろう。関西弁なら「まいどー」かもしれない…ちょっと違うか。
それはさておき、たしかインドネシア語でもアパカバール。大学時代、うちの研究室には「インドネシア語友の会」があって、私は参加していなかったが、「アパカバール?」にまつわるこんなエピソードがあるのを思い出した。
「友の会」ってのは要するに勉強会なんだけども、その主催者にあたる先輩がなかなかの変人で、テンションが上がると裏返った甲高い奇声を発する人。あ、奇声といってもヒエーとかキャーとか言うだけじゃなくて、言語としては成立してるんだけどもね。そう、安田大サーカスのクロちゃんに近いような、まぁ強烈な声ですわ。
ある日、友の会当日の朝。毎回参加しているOさんが時間になっても来ないというので、先輩が自宅に電話をした。そして、例の奇声で「アパカバール?アパカバール?」とやったら、無言で電話を切られてしまった。あれっ、と思いながらも番号を確認してもう一度かけてみたら、留守番電話に切り替わっていたという。
後日、Oさんが言うには。

あの日は両親が来ていて、電話をとったのは母だったんです…

田舎から、一人暮らしの娘のもとへやってきて、娘にかかってきた電話をとったら得体の知れない奇声。しかも日本語ではないというのだから、母上の胸の内は察するに余りある。京大っちゅうのはなんて恐ろしいところなんだべ!当初大学院進学を希望していたOさんが地元で就職してしまったのは、もしやこの一件が影響しているのではないかと、今になって思うのである。