*[野球]役者が違う

10回表2アウト一、三塁。打者は、この日3安打のイチロー
9回をきっちり締めていれば回ってこなかったはずのこの場面、不思議な雰囲気だった。今さら言っても信じてもらえないかも知れないけど、総力をつぎ込んだ韓国が勝ちきれなかった時点で、日本の勝利はほぼ確実だと思った。10回で決まるか、11回までかかるかはともかく、韓国に日本の攻撃をしのいで、日本から得点する力はもうない…ダルビッシュが押し出しでもしない限り。その意味では安心して見ていた。
守備側韓国はどうしたかったんだろう?「なぜイチローと勝負したのか」は結果論だけど、その前の「なぜ一塁走者をフリーで走らせたのか」は理解に苦しむ。むろん、1点もやれない状況ではある。しかし仮に三塁走者が還ってもまだ1点、ダルビッシュが力んで崩れる可能性を考えれば何とかなるかもしれないが、2点目を取られるとそれは致命傷になる。攻撃的な盗塁の結果進まれるならともかく、タダでくれてやれるほど安い二塁ではないはず。もし二塁をタダで与えるなら、満塁策と併用するしかない。次打者中島も2安打と当たっていたけど、2点が3点になってももはや重さは変わらないから、どこでもアウトを取れる環境を作ったほうがよかった。
金寅植監督によれば、「カウントが悪ければ満塁策も考えた」らしい。しかし岩村が二塁に進んだとき、カウントは2-1だった。欲が出たのか、勝負を選択。ファウルで粘られ8球目。

今から敬遠しても、次の打者に投げる力は残ってない…っと。
南、ゴメンな…

林昌勇に、事故で亡くなった双子の弟がいれば打ち取れたのかも知れないが、残念ながらシンカーはセンター前へはじき返されて2点タイムリー。千両役者の引き立て役になってしまった。
PEPSI NEXのCMに出てもらいたいくらい、おいしいところを綺麗にかっさらっていったイチロー。スーパースターと言うより、「役者が違う」という言葉の方が個人的にはしっくり来る。あの場面できっちり打てるなんて、イチローの他には全盛期の清原くらいだろうか。申し訳ないが松井秀喜には無理っぽい。よくてもバットを折りながらセカンド後ろにポテン、ってとこだろう。そんな泥臭いのが松井には似合うと思うんだが、ついに松井は日本代表のユニフォームを着ることはなかったな。