春闘

産経新聞より。

 15日幕を開けた平成21年春闘は、連合が8年ぶりのベースアップ(ベア)要求方針を打ち出し、傘下の労組は高水準の要求を掲げている。これに対し、経営側は急激な景気後退による業績の急降下を受け、「ない袖は振れない」と、ベア・ゼロも辞さない構えだ。リストラの嵐が吹き荒れ、雇用確保が最大のテーマとなる中、春闘本来の目的である賃上げは早くも風前のともしびとなってきた。(後略)

正規雇用の職員をバッサバッサと切りまくったところに、正規雇用職員の賃上げなんて筋が通らない…。ここ数年ずっとベアで来てるならその流れで、ということもあるだろうけれど、8年ぶりのベア要求をこのタイミングでもってくるとは、いったいどんな感覚してるんだろうか?
たしかに、長年賃金を抑制し続けてきたことが国内の景気浮揚の妨げになったという見方もあるので、賃上げ自体は重要な課題だろう。会社は株主のものだという理屈で、賃金よりも株主配当を重視する流れがあるようだけれども、売買の差益という短期的な利益を求めて株式を売買している人は、会社として重視すべき「出資者」と言えないのでは、と思う。売買の差益を目指すと言うことはすなわち、最初から株式を売る=会社から資金を引き揚げることを目的としているからだ。それに、資金を集めることも重要だけれど、その資金をもって何かを生み出すのは全て従業員である。その従業員に利益を還元することが、会社が価値を生み出す力の源泉を保つことと言える。しかし、それならまず雇用の正規化や非正規雇用者の保護が先決であり、非正規雇用者を踏み台にしての賃上げは論外だ。