*[野球]アマの渡米を阻止する案

ドラフトを拒否して渡米した選手には、帰国に制限を設けるのだそうだ。
「いつかは日本でプレーしたいと思うはず」という思いこみにあふれた規定だな。制限の仕方も、何というか出奔者に対する藩の制裁みたいな旧時代的な発想が見える。ま、「とりあえず挑戦してみて、ダメなら帰ってこよう」なんて考えてる選手には効くかもしれんけど、そもそもそんな気持ちじゃ成功せんだろう。逆にもともと本気の挑戦者には「帰るところがない」と発奮材料になるかも知れない。
NPB12球団の中で勝手に移籍するとか、行きたい球団を自分で決めるとかは、NPB内での戦力の偏りを是正する「戦力均衡」というドラフト会議の趣旨に反するわけで、原則として禁止されても当然。でも米国その他海外のリーグに行くという希望は戦力均衡とは関係がない。ドラフトでの指名を拒否して社会人に入ったり、米国教育リーグに入ることはこれまでもあった話。何度もドラフト候補に挙げられつつ社会人でプレーし続けた選手(日本生命の杉浦投手とか)もいる。NPBではない世界でプレーをしたという点では変わりないと思う。
要するにNPBMLBの方が魅力的だと認めた上で、MLBの下部組織みたいにはなりたくないということなんだろう。外国人選手の方が優れているというのを前提として、助っ人外人の出場数にも制限があるわけだしね。まぁ選手層の厚さはMLBが上なのは間違いないので、いっそ今の外国人選手登録枠を改めて、NPBでのプレー経験がなく、他国のプロリーグでの経験がある選手の出場枠」にすればいいんじゃないか?外国人でもアマチュア出身なら制限なし。ああキューバの選手が欲しいなぁ。
話が少しそれたけども、今回の決定で最も問題が大きい点は、この決定が今年のドラフト会議から効力を持つというところ。つまり今回の話の発端になった田澤投手が意向を表明した後で作った規定なのに、その田澤投手に適用するというところだ。田澤投手としては、ドラフト当日まで黙っておいて、指名を受けた後で拒否することもできた。でもそうしたら、指名をくれた球団の貴重なドラフト一位枠に穴を空けることになり、迷惑をかけるからということもあって事前に意向を表明したのだろう。それなのに、NPBからの返答は「じゃあもう日本に帰ってくるな」。あまりにも冷たい態度である。
極端な話、田澤投手がメジャーじゃなくてゴールデンゴールズ欽ちゃん球団)入りを希望していたら、どうしたんだろうな。また後でドラフト対象選手になるからいいのかな。