クールビズによる能率低下?

本末転倒の硬直思考をひっくり返すためにはこういうのが必要だよな。

クールビズ「28度では能率低下」…日本建築学会調査

 地球温暖化対策として、夏場を軽装で過ごす「クールビズ」。
 冷房温度を28度と高めに設定し、省エネを図る取り組みで、年々広がっているが、日本建築学会のチームによる最近の研究で、軽装だけでは暑さで仕事の能率が落ち、経済損失にもつながる場合もあることがわかってきた。
 専門家は「換気や送風を組み合わせ、作業能率を下げない省エネ方法が必要だ」と提言している。
 クールビズは、6〜9月に「ノーネクタイ、ノー上着」で職場の消費電力を減らす運動。環境省が2005年に提唱した。28度は建築物衛生法の定める執務室の上限温度だが、作業の能率への影響は不明で、日本建築学会は06年から科学的検証を進めてきた。
 神奈川県の電話交換手100人を対象に1年間かけた調査では、室温が25度から1度上がるごとに作業効率が2%ずつ低下した。

クールビズが無意味だとは思わない。夏に想定される温度域では、上着やネクタイをしているよりも軽装の方が快適だというのは至極当然で、ちょっと薄着にすればガンガンに冷やす必要がなくなるよね、という話。また、そうやって薄着になることで、冷えに苦しむ女性との体感温度の差を縮めることにもなるという副産物も期待できると思う。
でも、28℃という温度を先に決めてしまうのは馬鹿者のやること。去年よりも薄着にしたから、去年よりも1℃、2℃高めでも同じように過ごせるようになったよね…という相対的な話が、クールビズの本来の発想のはずだ。
私が2年前の夏を過ごした某中央官庁では、冷房の設定温度は28℃で固定し、しかも扇風機との併用を禁止するという強行ぶり。さらに、それを主導した部署は10階建ての2階で比較的涼しく、6階、8階といった上層階の地獄を実感することがない。さすがに9階の大臣室は快適に空調を効かせていただろうと思うが、アタマの固いお役人の真骨頂、というか愚の骨頂という感じだった。
これまでと同じ体感温度になるように空調を動かし、扇風機を併用すればいい。前よりも薄着になっているのだから、冷房の強さは自然と前よりも弱くなる。ただそれだけの話のはずなのに、どうしてこんなに回り道をするんだろう。今の私の職場では、27℃の設定でみなさん快適に過ごしている。