竹島問題

韓国では市民も政府もかなり怒り狂っているようだけれども、これで「すんませんじゃあやめます」なんて言っちゃいけない。こんな反応が返ってくるのは最初から分かっているはず、というか分かっていなければならない。そして分かっていてやる以上は、じっくりと取り組むのが当然である。
しかし不思議だ。韓国では独島は韓国領だとする教育が施されているらしいが、国際的に確定されていない国境である以上、日本側が同じ事をし始めたからと言って、文句を言う筋合いはないのではないか。ただ自分が言い張っていることと違う主張をし始めたから怒るというのは理性ある大人のやることではない。逆に日本は相手が何を言っても「遺憾に思う」くらいしか言わないから相手が調子に乗るんじゃないか。
私は竹島に関する歴史の専門家ではないので、日本側の主張と韓国側の主張とを比較した際に、どちらが正しいかを客観的に判断することはできない。しかし日本人である以上、主観的に応援するのは日本側の主張だ。同じように韓国には主観的に自国の主張を応援する人がたくさんいるだろうし、それは当然のことだろう。そんな一般市民がワーワー言うだけでは何も解決しないし、むしろ感情的な対立は深まる一方で、いい結果にはなりそうにない。
朝日新聞によると李明博大統領は独仏などが共同で歴史教科書をつくった例を挙げて「日中両国と共同で歴史教科書をつくり、地域の平和と反映に貢献すべきだ」と語ったらしい。中国を巻き込もうとするあたりには姑息な印象を受けるが、日韓両国での共同作業はきっとプラスの結果をもたらすはず。時間はかかるんだろうけれども、両国の政府ならびに歴史家がお互いに証拠を持ち寄り、客観的な事実を構築して国境を確定してくれれば、無駄なケンカが一つ減る。