カエルとイモリと下駄と
私が下駄を履いたって、 ちっとも遠くに跳べないが、 跳べるカエルは私のやうに、 地面(じべた)を二足で歩けない。 私が下駄を飛ばしても、 明日の天気は当たらぬが、 どんなイモリも私のやうに、 たくさんな唄は知らないよ*1。 下駄と、カエルと、それからイモリ、 みんなちがって、みんないい。
…ちょっと壊れてみたのは、こんな記事を見つけたから。6月5日9時1分配信、毎日新聞より。
<天気予報>カエルとイモリの天気予報、どっち信じる? 鳥羽水族館で本格調査
カエルとイモリの天気予報水槽が、鳥羽市の鳥羽水族館にお目見えした。梅雨入り後の3日の天気は雨。カエルとイモリの予報はぴったりだったが、昔ながらの下駄による予報は晴れと出て、大はずれだった。同水族館は8月末まで統計をとり、実際の天気と照合して精度を調べることにしている。
…下駄?たしかに、記事に添付された写真を見ると、下駄が写っている。
水槽(高さ1.8メートル、幅・奥行き90センチ)で天気予報をするのは、ニホンアマガエル20匹とアカハライモリ10匹。カエルとイモリに挑戦するのが下駄で、翌日の天気をその日の行動で予想する。
カエルは目を開けていたり木に登るなど活発に動いていれば雨、じっとしていれば晴れ。イモリは水中にいれば晴れ、上陸していれば雨。いずれも中間の行動をとっていれば曇りとした。下駄は職員がけ飛ばして表が出ると晴れ、裏が雨、横に立てば曇り。
1日に水槽を設置し、梅雨入りした2日の予想はカエルが晴れ、イモリは曇り、下駄は晴れ。3日の予想はカエル、イモリとも雨、下駄は晴れだった。実際の天気は2日が曇りのち雨、3日は雨で、順調に予報するカエル、イモリに対し、下駄は「当たるもはっけ当たらぬもはっけ」といったところだ。
入館者らは興味深そうに天気予報水槽をのぞき込み、カエルやイモリの行動を観察していた。
この展示を企画した人も、この記事を書いた人も、とっても楽しそうだ。それにしてもこのイモリ、大学関係者としては看過し得ない名前をしている。アカハライモリ。アカデミックハラスメントをはたらくイモリが10匹もいたら大変だ。教授や准教授への昇進を見送るよう、教授会に働きかけねばなるまい。