白熱灯を蛍光灯へ

政府は、二酸化炭素排出量の削減を目指し、従来の白熱電球に比べ消費電力が1/5程度で済む「電球型蛍光灯」への切り替えを進めたいと考えていて、それを実現化する方策としてメーカーに白熱電球の生産を2012年までに「自主的に」終了するよう「要請」したという。
なんとも勝手な話だけれど、政府の目には市民が地球温暖化に無関心で、取り組みも不十分だと映るんだろう。しかし消費電力は少なくて済むが、購入価格は約10倍。寿命が長いから長い目で見れば安く上がるはずだと分かってはいても、イニシャルコストのせいで手が出せない人が少なからずいるのではないか。そこまで市民生活が追い込まれているという実感は、政府にはたぶんない。それと、もしかしたらこの電球型蛍光灯が従来の電球の代わりにそのまま使える*1ということを知らない、あるいは疑いの目で見て「壊れたら困るからとりあえず今のまま」という人もいるに違いない。うちの母などはたぶんそんなタイプだ。地上デジタル放送についてはしつこいほどCMを流している(これはテレビ業界自身に関わる問題だし)けれど、電球型蛍光灯への切り替えを促すCMってのは見た印象がない。まずメーカー、という姿勢には疑問を感じる。地デジチューナーについては訪問販売による詐欺が現れているが、電球型蛍光灯についても「白熱電球が販売中止になり、今お持ちの照明器具が使えなくなります」なんて詐欺が出てきてもおかしくない。白熱電球の生産中止が報じられる前に、まず「今の機器でそのまま使える」としつこく周知するべきではないのか。
…とまぁ、「最近の国の施策はろくなものがない」という愚痴をひとくさり述べたところで。うちの照明器具はほぼ全部この蛍光灯タイプにしているんだけれど、まだ発展途上の製品という感じがする。改善が必要だなと思う点としては

点灯直後が暗い
スイッチを入れてすぐに最高の照度に達する白熱灯と違い、1分程度待たないと明るくならない。長時間点灯する居室なら大した問題にはならないが、その1分程度で用が済んでしまうトイレ等には不向き。うちでもトイレは白熱電球
小型化が不十分
シリカ電球と言われる、いわゆる普通の白熱電球よりは小さいものが出ているんだけれども、ミニクリプトン球ほど小さいものはまだ出ていない。そのため、小型の照明器具にはサイズの問題で使えないことがある。
デザイン・形状の問題
シャンデリア等、電球をむき出しにして使うものに向いた製品はまだ出ていない。

価格面が第一だけども、こういった問題点を解決してくれんことにはなぁ。

*1:ただし、調光機能の付いた機器には使えない