ガソリンが高くなった

とりあえず駆け込みで満タンにしたけれど、本当に政府の無策っぷりには腹立ちを超えて情けなくなる。政治家連中は自腹でガソリン入れないし、そもそも自分でガソリンスタンドに行かないから、混乱っぷりが分からんのだろうな。
ところでこのガソリン税、なにも全国一律の税率にしなくてもいいような気がする。切り分けは難しいかも知れないけれど、他の公共交通機関が発達しているところでは高く、代替手段がないところでは安くするということも可能なのでは。そもそも都市部と地方の格差が言われて久しい。人口密度が低く公共交通機関が少ない地域は所得水準も低くなる傾向があるし、所得水準の低いところからより多くの税金を徴収するという仕組みは税というものの基本的な考えに反する。
都心部では自家用車が減ることは渋滞の現象による物流の円滑化や大気汚染の軽減などプラスの作用もだいぶあると思うけれど、田舎において自家用車が減ることにはマイナスの作用の方が大きいのではないか。ガソリンが高くなり、家計に占める車の負担が重くなればなるほど、地方は住みにくい土地になり、東京などの都心部にいっそう人口が集中するようになる。これも、この国が進みたい方向とは異なるはずだ。
欧州諸国に比べて日本のガソリン税は安く、環境保護のためにガソリン税を高くすべきだという意見もあるが、「リッターあたり」の税率だけで高い・安いを論じるわけにはいかない。極端な話、税率が日本の2倍であったとしても、収入が日本の3倍あれば、むしろその税率は低いという理屈も成り立つ。欧州諸国民の平均月収は分からないのでこの観点からの比較は私には出来ないが、今は異常なほどユーロが高いということも考えないといけない。軽食を食べると6ユーロほどだそうだが、それは日本円で1,000円。ユーロではなくポンドだけれど、ロンドンの地下鉄の初乗り料金も日本円で約1,000円*1だと聞く。日本ではそれぞれ500円、200円程度だろう。ガソリンが1リッター200円と聞いても、軽食の5分の1、地下鉄初乗り料金の5分の1と思えば、100円から40円相当の値打ちということになる。そう見ると欧州のガソリン、激安だ。
マスコミが何を思って「欧州ではリッター200円、日本のガソリンはまだ安い」とか言っているのか分からないが、断片的な情報で国民をミスリーディングするのだけは勘弁してほしい。それに、税率が高い低いということはともかく、「暫定」の名で30年取り続けてきたことは明らかな怠慢、罪悪のはずだ。もちろん、できれば安くしてほしいところだが、とにかくきっちりとした議論でもって本則化を果たしてほしい。

*1:プリペイドカードを使えば約400円らしいが、それでもガソリン2リッター分?