弱小野球部の悲哀

埼玉県の川本高校が、2回途中で0-66にまでなった試合を放棄したというニュース。

 熊谷公園球場で15日に行われた高校野球春季埼玉県大会北部地区予選1回戦、進修館−川本戦で、川本が0-66の2回裏1死から試合を放棄する出来事があった。試合は規定により、進修館が9-0で勝利した。けがなどによる部員不足での試合放棄の例があるが、申し出による試合放棄は極めて異例の事態だ。
 川本は先発投手を含む2人が正式部員で、他部からの助っ人を集めて今大会に出場。初回に26失点、2回は1死までに40失点していた。先発投手の球数が250を超えたため、健康上の理由から飯田貴司監督が大会本部に試合放棄を申し出た。
 飯田監督は「このペースだと4回で500球近く投げることになる。他の選手も集中力を欠くことで、けがの危険性があった」と苦渋の決断だったことを説明した。

うーん。私も高校時代、1-48で負けた記憶がある。練習試合、ダブルヘッダーの2試合目で投手が不足し、しかも相手は県下ベスト16の強豪(兵庫県は全部で160校を超える)。8回裏に2本の本塁打(どちらも私の頭上を越える)などで16点を失った時はもううんざりした…。
少し調べてみたが、この川本高校は寄居高校との合併が決まり、平成19年度の入試を最後に新入生の募集を停止。つまり今年は1年生が入ってこず、新2年と3年しかいない*1。で、昨年夏の大会も0-68で5回コールド負けを喫している。監督はこのときも「飯田」監督なので、同じ人物だろう。ちなみに、1回1/3つまりアウト4つで250球なら、単純に行けば4回12アウトを取るには600〜750球に達する計算だ。
それにしても、正規の部員が2名であとは助っ人というまさにマンガのようなチーム構成でよく大会に出ようと思ったものだ。試合に出たいという部員の熱い思いは分からんでもないが、硬球というやつは本当に凶器になりうる。打撲では済まない可能性も十分にある競技だということを分かった上での参加なのだろうか。

*1:ただし新1年生が春の大会に出ることはないので、その点で特に不利ということはない