質の低下?

法曹人口を増やすために法科大学院を作って、新しい司法試験制度を作ったというのに、質の低下を懸念して合格者数を減らすことを検討しているらしい。
たしか、今法曹界が抱えている問題は「絶対的な量の不足」のはずだ。もちろん、質を確保しつつ量を増やすのがベストなのは分かり切っているが、それができないことも分かり切っている。その辺の議論を重ねて出した結論が「量を確保するために司法試験合格者を増やす」だったのではないのか。何を今更言うておるのか。しかも、まだ質が下がったと言い切れるだけの状況にもなってない。至極中途半端なタイミングだ。
とかく「先生」と呼ばれる職業は、数を増やすと自分のありがたみが薄れるからだろうか、新たに数を増やすことに対して必ず抵抗が起きる。また、今いる数を減らそうとしても、自分が切り捨てられたら困るから必ず抵抗が起きる。医者もそう。教師もそう。要するに、「先生」の中でもよくできる人とできない人がいるわけだ。必要ならば増員でも減員でも賛成する当事者は、できる人であり、かつ、できた人なんだろう。
でも今回の弁護士の話が一番ひどいように感じるなぁ。片方では一人でいくつも案件を抱えて寝る間もない、まともな対応ができないから増やしてくれと言っておきながら、片方では質が下がるから数を増やすべきではないと。質が低い弁護士が増えたら、勝てる裁判が増えていいじゃないか。ってそんな問題じゃないよな。質が低い裁判官が増えたら困るしな。
ま、一番ダメな「先生」は議員さんだと思うけど。