「乗車率」のカラクリ

mixiのニュースで、首都圏の通勤列車の乗車率が云々と出ていた。各線とも猛烈に混む件については、私も一年間体験してきたところだが、酷い区間だと乗車率が200%を超えるという。…と、数字だけ見てもピンと来ないかも知れないが、座席の数+つり革の数が定員。座席とつり革が全て埋まって、やっと100%になるのである。それで200%というのは本当にすごい状況だ。JR山手線外回りの上野―御徒町間が3年連続トップで、混雑率は前年度と同じ216%だという。国土交通省としては、180%をひとまず目標にしたいということだが、それでも人間的な扱いとは言えんだろうな。
で、混みすぎる列車を何とかするために、この山手線では座席のない車両6ドア車両(出入り口が左右で12箇所)など、圧迫感を低下し、乗り降りがスムーズになるような工夫をしているのだが…先述の通り、乗車率とは座席とつり革の数を分母として算出する指標である。1車両あたりの乗車人数が同じだとすると、座席が減って床面積が広がれば一人あたりの専有面積は広がり、ゆとりは増す。でも、指標としての乗車率は高まるということになる(もともとロングシートの車両であるから、座席が減ってもつり革を配置できる箇所が増えるとはいえない)。乗車率が同じとして、車両が備える座席が減っていれば、乗車人数は減り、一人あたりの空間も増しているはずである。見せかけの数字を追わずに、現実的な解決策をとっているということかな?
ちなみに阪急や京阪の特急車両(阪急特急の写真)のように、座席が占める面積が大きくつり革が少ない車両が乗車率150%超えたりしたら、ものすごく過ごしづらいような気がする*1。真ん中あたりに乗っていたら、降りたくても降りられんかも。

*1:阪急や京阪を知らない関東人のために補足すると、1車両あたりのドアは前後左右のスミに計4箇所。左右各2列ずつ計4列のシートがあり、中央の通路はすれ違い困難な幅である