国宝三井寺

園城寺(おんじょうじ)」という名でも知られる、大津市名刹。ここの金堂は国宝に指定されていて、築400年を超す檜皮葺の大きな建物なんだけど、今はその屋根の葺き替え工事の真っ最中。普通、お寺に行って修理中だとかなりがっかりするところ、何とその修復工事の様子を見学することができるというので急遽行ってみた次第。
国宝や重要文化財を管理する文化庁が毎年行っている事業(公式サイト)で、修復作業を公開することによって、日本の伝統技術や文化財への興味を持ってもらうとともに、その技術の後継者や修復材料(そして予算?)の確保につなげたいということだろう。今年は全国で5箇所。例年なら紅葉も美しい季節に、こんなイベントをやってくれるなんて有り難い話だ。
檜皮葺という工法について、原料から施工まできっちりとした説明が受けられたり、「竹釘体験コーナー」で実際に檜皮に竹釘を打ち込ませてもらったり、盛りだくさんである。何でも、檜皮葺は瓦と違って屋根材が40年くらいしか持たないらしく、そのたびに葺き替えを行うのだそうだ。そして檜皮は樹齢100年を超える檜からしか取れず、一度取るとその木は10年休ませないと取れないらしい。鉄の釘を使うと当然錆びてしまうため、固定には竹釘を使用。こちらは40年たって葺き替えの時期が来てもまだまだ朽ちていないそうだ。
修復現場では、高さ24メートルという金堂の屋根まで組まれた足場に登って、実際に職人さんが屋根に檜皮を葺いていく様子を間近で見ることもできた。緻密に積み上げられた構造は美しいの一言。写真もバシバシ撮ってしまった(後で載せます)。比較的若い職人さんも多かったので、ちょっと安心。こういう事業に60歳以上の人しか携わっていなかったりすると本当に心配になってしまう。
来年か再来年、姫路城でも修復工事が行われる予定だ。その時、公開事業があるかどうか分からないけど、もしあるのなら是非参加してみたいところ。今年の公開事業はほとんど終わってしまってるし、数も少ないけれど、皆さんもどうぞ。