中国の新幹線

山陽新幹線のことじゃなくて、中華人民共和国の新幹線。「和諧((調和、という意味らしい)号」と名付けられたそれは、日本の東北新幹線「はやて」をベースに開発された車両らしい。4月18日に開業したそれは、速い、快適となかなか好評なのだそうだが、1ヶ月の定期検査に戻ってきた姿は…。

弾丸列車「1か月検診」、備品持ち去られボロボロ―河南省鄭州

2007年5月17日、鉄道高速化計画の目玉として登場した弾丸列車が走行を開始して1か月、定期点検のため河南省鄭州市の鉄道局検査場に戻ってきた。約100人の技術者が車体を検査したところ、無残なほどボロボロにされていることがわかった。

ボロボロになった原因は乗客による備品の持ち去り。被害が最も多かったのは手洗い場のセンサー式蛇口。多数取り外されてなくなっていた。さらに緊急脱出用のハンマー。また密室であるトイレも被害が大きかった。便座の温度調節つまみペーパーホルダーの軸さえ取りはずされ消え失せている実態には、ただもうむなしさが募るばかりだと技術者たちはこぼす。【 その他の写真はこちら

鳴り物入りで走り出した夢の高速列車だが、わずか1か月で満身創痍になって戻ってくるとはおそらく想定外だったはずだ。同局は今後、備品持ち去り禁止を表示するのか、乗客の資質向上を待つのか、判断を迫られることだろう。

モーターショーで発表される「新型車」が他社のそのまんまコピーだったり、偽ディズニーランドがあったりと、知的財産の概念がないと非難されている中国だが、ことは知的財産だけの話ではない。要は礼節というものがないのだろう。他人が見ていなければ、気づかなければ何をしてもいいと考えているからこんなことが起きる。「衣食足りて礼節を知る」とは古い中国の言葉のはずだが、中国の金持ちはいわゆる成金であったり、権力者と結びついている人が多いというイメージがある。日本でもそういう人は人格的にイマイチだったりするので、中国でもそうだろう。衣食足りてる人はこんな調子で、衣食足りてない人はマナー以前の問題となると、礼節を知る人などどこにいるのだろう。
そういえば、いま厚生労働省経済産業省が綱引きをしている「外国人研修生」でも中国からたくさん日本に来ているのだが、よその畑からネギを抜いて勝手に食べたりしている人もいるという(実話、しかも生で)。帰国間際になれば研修先の会社の備品を自分の鞄に詰め込んだりする人もいるという(実話)。十何億人の中国国民がみなそうだとは思わないが、五輪を開催したり宇宙開発に手を出す前にやるべきことはいくらでもあると思うのだが…。