首都圏生活半年ちょい

1年の予定で東京に出向してきて、すでに半分以上が過ぎた。♪春のことです おもいだしてごらん…と歌わずとも、あんなことこんなことあったわけだが、とにかく早く帰りたくて仕方がない。人によっては「東京楽しいでしょ?」とか「帰りたくなくなるんじゃない?」とか言う人が何人かいたけれど、当初からそうは思えなかったし、そもそも大学進学時に首都圏の大学を受けようとしなかった人間である。もともと好きではなかった土地だし、実際に住んでみても私には魅力のある土地ではなかった。

「便利だよ」
たしかに電車の本数は多く、路線もたくさんあるし、お店もいっぱいある。しかし、今は物流が発達し、わざわざ店まで行かずとも欲しいものは手に入るのである。そして東京にしか店舗がないようなブランドにはそもそも興味がない。人里離れた山奥に住むのならともかく、前の職場の通勤圏内ならば十分に便利だ。
「遊ぶところがいっぱいあるよ」
どこのことだろう?私は若者が集う街にはこれっぽっちも興味がない。こちらに来て休日に最も多く訪れた街は秋葉原であり、目的はもっぱらパソコンショップ巡りである。しかしこれとて、ネット通販で十分代用がきく。ディズニーランドなどは旅行で来れば済む話である。
「アフター5が充実するよ」
私は酒を飲まないので、夜に街へ出て遊ぶという習慣がない。事実、職場の「原則全員参加」以外の飲み会や友人との外食に出席した回数は片手の指で足りるほどだろう。
「仕事帰りにプロ野球が見られるよ」
私も当初はそう思っていた。しかし7月に、定時が18:00から18:30に変更になったため、試合開始から観戦することができなくなった。できれば試合前の練習から観たい私にとってこれは致命的。結局、今シーズンは土日も含めて4月に1度だけ東京ドームに行っただけであった。
「おいしいお店がたくさんあるよ」
たしかに、東京全域を見渡せば数多くの店があり、特に「肉部」では目から鱗が落ちるほどの美味肉を食べてきた。しかし住居からの所要時間を考えると、前に住んでいた宇治からなら大阪どころか神戸まで行けるのである。当然交通費もかかる。住んでいるところが悪いといえばそこまでだが、都心に近いと家賃が重くのしかかる。街の規模がでかすぎるのはあまりありがたいとはいえない。
「仕事が楽しいよ」
何も東京でなくても楽しい仕事はいくらでもある。そして現在の部署はお世辞にも楽しいとはいえない。苦痛ですらある。

むろん、東京には古くからの友人もたくさんいるし、新しくできた友人もいる。人脈は大切にしていきたいが、京都にも友人はたくさんいる。東京に来た意義はあるが、このまま残るきっかけにはなりえない。もちろん他にも帰りたい理由はあるが、少なくともこちらにいたいと願う理由はない。そんなわけで、こっちに来てからまだ会ってない友人の皆々様、3月までに会いましょう。