特別措置を求める声

必修科目を履修させていなかった高等学校が相次いで見つかっている問題。気になるのは、これらが同時多発的に、各高校で自然発生したものなのか、それとも「○○県高等学校教師研修会」とか「○○地方高等学校校長会」とか、そんなところで広まったものなのか、もしかして県教委が非公式にひろめたものなのか…。進化論の考えでは、人類の祖先は一人のアフリカ猿人だったと言われていたり、どんな進化の歴史をたどっても、高等な知能が発達してくると地球人のこのスタイルに近いものになるだろうと言われていたりするらしい。今回の問題がどういう過程で広まったものなのか、文科省にはそこを明らかにする責任があるだろう。
さて、これについて特例措置を望む声が多く上がっているらしいが、ちょっと待ってもらいたい。たしかに生徒に責任はないのだが、補習時間が100時間もあるとか、この大切な時期にとか言う人は、ひとつ大事なことを忘れているとしか思えない。
それは、本来補習で行うべきであるはずの、プラスアルファの授業を彼らが受けてきたという事実である。つまり彼らは100時間だか200時間だか知らないが、多ければ多いほどのメリットを享受しているはずなのだ。長時間かけてじっくり学習することと、直前補習で集中的に行うことと、どちらが結果に結びつくのかは分からないが、それだけの授業を受けようとすれば100時間だか200時間だかの補習を受けることが結局必要なのだということを忘れてはならない。生徒が自主的に選んだものではないということが彼らにとっては悲劇だが、受講時期の前後が入れ替わっただけに過ぎない。
とはいえ法律で定められている範囲内において、できる限りの救済措置をとらねばなるまい。抵触しない救済措置について、文科省都道府県教委はいち早くガイドラインを策定し、全国115万人の高校3年生が公平に卒業できるよう努力してほしいところだ。