李下に冠を正さず、とは言うけど

日銀の福井総裁が村上ファンドに出資していたことがやり玉に挙がっている。
インサイダー情報をもって取引をし、利益を上げているわけではないから、違法ではないが、内規に照らしたり、また「けじめ」の面から言っても、このようなファンドというものに出資した状態で日銀総裁の座につくことは好ましくないとのことである。
たしかに、そうかもしれない。認識不足とか、ワキが甘いといった批判は正しいのだろう。しかし、発覚当初の記事では、「不正な取引をして代表が逮捕された村上ファンド」に出資していたことを問題視するような論調だった。彼が出資していた先が村上ファンドではなく別のファンドだったら、どう扱われていただろう?私はこのようなファンドについてまったく知識がないが、「優良」とされるようなファンドだってあるはずだ。そのようなファンドであっても、野党議員は、あるいはマスコミは、このように福井総裁を批判しただろうか?
福井総裁が日銀運営あるいは日本の金融政策に関わってきた成果は合格点なのか、そうでないのか、そんなことは私は知らない。しかし不合格であるなら、そこを追及すべきであるし、合格点であるなら、その任期を全うさせるのが合理的というモノだろう。こういった、本質とはかけ離れた部分において政敵(福井氏を総裁にした小泉陣営、ひいては自民)の足を引っ張る姿を見るにつけ、野党がこれじゃ日本はあかんな、と思わされるのである。本質的かつ建設的な意見をぶつけてほしい。国会を見てると、議員のやってることが給料に見合うとは、どーしても思えないのである。