かなん

雪が降っていた。
重く曇った空から、真っ白な雪がゆらゆらと舞い降りていた。

…いや、そんな生やさしいもんとちゃいまっせ。朝起きたときには、宇治は少し寒い程度で、駐車場の車が少し雪帽子をかぶっている程度。よし、これやったらいけるわとノーマルタイヤでチェーンも積まれていないヴィッツで出勤。ほな、はらりと降り出した。5分ほどしたらもう普通に「雪」。おい誰やねん曇り時々雪言うたやつは!責任者出てこい!
伏見区東山区左京区と北へ進むにつれて路面はどんどん白なってくる。タイヤの溝にも雪が挟まったんか、ただでさえ利かへんグリップが洒落にならんくらい利かんようになる。あーABS頑張ってるなーっておいおい斜め向いてきたがな。ゴミ袋持ったおばちゃんに吸い寄せられそうになった。発進するたび空転して、右だけとか左だけグリップして尻を振る。セカンド発進したいのにこのCVTはそんな工夫が全然ない。
ふと見ると、前輪と後輪の回転数が全く違う原付がいる。
雪がなくても転びそうなおじいさんが原付に乗っている。
全く意図せぬ不要なスピンターンを、しかしこの上なく美しく決める原付がいる。
なんでこんな日に二輪乗るん?ヒロTも言うてるやん。「こんな日は二輪乗ったらあきません」て。
普段なら40分で着くのに、1時間半かかってたどり着いた大学内は新雪積もった銀世界。それはつまり過酷な道路状況…。ま、圧雪路のほうがひどいけど、ヒヤヒヤものの出勤でした。いやほんまにかなんて。
…で、これでどないして姫路帰ったらええんやろ?今日中に帰らなあかんねんけど…チェーンでも買いに行くかな…。