一目で分かる偽装工作

なんか、本のタイトルみたいになった。「一目で分かるシリーズ」最新作!これであなたも売り上げ倍増!みたいな。って、冗談はこの辺にしておいて。
マンションの構造計算が偽造のものだったという事件で、当初検査機関は「巧妙な手口」としていたが、その計算書を専門家に見てもらったところ「一目で分かる安易な手口」と評価した。…そりゃ、タネの分かった手品を見てるんだから一目で分かって当然だろう。タネを知らされずに見て、ほんとうに一目で看破できるものだろうか?日に何件の審査をするのかは知らないけれど、そこまでたやすいことではあるまい。
しかし、それでもそれを見つけるのが検査機関の役目だろう。検査機関というもの自体が、性悪説に基づいて作られているんだから、書類には不備があるものという前提で見るくらいの気持ちでないと意味がない。こないだのカネボウ粉飾事件といい、監査法人やら検査機関とかいうものがまるっきり機能してないね。何でもかんでもお上がやるのは良くないことだろうけれど、こういう機関が利益を追求して、数をこなしたり、さらには業者と結託したりしてはお話にならない。人間は甘い話に弱いものだが、それでも不正が起こらないような仕組みは作れないものだろうか。そんなことを考えねばならないとは、何とも情けない話である。