ガ行変格活用!?

学校文法で言うガ行五段の動詞には「嗅ぐ」「削ぐ」「継ぐ」といったものがある。これを活用させてみると、「嗅がない、嗅ごう、嗅ぎます、嗅いだ、嗅ぐ、嗅ぐとき、嗅げば、嗅げ」となる。
ところで、播州方言には壊すという意味の「めぐ」という動詞がある*1。これを活用させてみると、「めがへん、めごう、めぎます、めんだ、めぐ、めぐとき、めげば*2、めげ」となる。
標準語において、テ形やタ形(いわゆる「連用形」)に撥音便「ン」があらわれるのはナ行、バ行、マ行のみのはずなのに、なぜこの「めぐ」に関してのみ「めんだ」という形が現れるのだろうか?ちなみに播州方言で「嗅ぐ」が「嗅んだ」となるなどということはない。また「めぐ」以外にこのような現象を見せる例も(少なくとも今は)思いつかないのでこれ以上の考察は困難だが、もしかして古い時代の播州方言では軟口蓋有声閉鎖音(いわゆるガ行の音)軟口蓋鼻音(カ゜行音と書かれることもあるやつ)とを区別していて、「めぐ」はその名残だったりするのだろうか。
誰か気になった人、調べてみてください。もしくは知っている人、教えてください。

*1:標準語においても「くじける」という意味の「めげる」があるが、これと同源と言っても差し支えなかろう

*2:バではなくタラを使うことが多いので、「めげば」という形式は自然ではないが