解決策になってない

不正住基カード:女子高生、姉名義を入手 祇園でホステス

 京都市内の女子高生が同居している姉になりすまして入手した住民基本台帳カードを示して年齢を偽り、祇園のクラブでホステスとして働いていたことが同市などへの取材で分かった。京都府警は女子高生を有印私文書偽造・同行使容疑で逮捕している。
 市は「年齢が近い同性の人が必要書類を提出してカード発行を申請した場合、防ぎようがない」としており、導入から6年たつ住基カードの制度上の欠点が改めて明らかになった。(中略)
 本人確認の方法について、住民基本台帳事務処理要領は運転免許証やパスポート、交付通知書、健康保険証などを用い、必要に応じて口頭で質問するよう規定。京都市はこの規定に基づいている。
 総務省は「必要に応じて家族構成や生年月日を質問するなど確認を徹底するしかない」としている。【成田有佳、田辺佑介、古屋敷尚子】

こんなもん、住基カードに限った話じゃない。無理矢理住基カードをずさんな制度に仕立て上げたいようだけど、じゃあパスポートはどうやってるんだ?これだって同居の家族のふりをされたらおしまいだろう。家族構成や生年月日なんて聞いても立て板に水で答えられるに決まってるし、何の解決にもならん。同居家族でないとしても、健康保険証を持ってきてるならば、そこに書かれた情報を暗記されたらおしまいだ。
身分証を持たない人の身分を確認するという行為は、どこかで申請者本人の良心に依存している部分が必ず絡んでくる。家族のふりをして住基カードを申請したら、相手が困るはずだから、そんなことしないはずだ…とか。ま、パスポートならかなり困るが、住基カード程度ではそんなに困らないという現実も手伝っているのかな。
もし本当にこの手の虚偽を許さないシステムを作ろうとしたら、出生届に一生涯不変の生体情報を添付するしかない。それが無理なら、せめて同居家族の住基カードは必ず同時交付とするというのはどうか。同居家族のふりをすることはできなくなり、その他証明書については盗み出さない限り持ち得なくなるので、盗難届との連動がうまくいけば、少なくとも後から追跡、無効化することは可能になるだろう。せっかくICチップ搭載のカードなんだから、その特性を生かした仕組みにすべきである。