一見まともな使い方だが

道路特定財源を活用し、高速道路の料金を一部で引き下げるらしい。一見、まともな使い方のように見えるが、根本的に間違っている。…まぁ、何もしないよりははるかにマシだが…。YOMIURI ONLINEより。

高速料金一部で引き下げ、道路特定財源を活用…政府方針

 政府は3日、来年度から高速道路の料金を一部で引き下げる方針を決めた。
 ガソリンにかかる揮発油税など道路特定財源活用し、今後10年間にわたって年2000億円前後を投入する方向で調整している。慢性的な道路渋滞を緩和するほか、原油高に伴う燃料費高騰に苦しむ物流業者の負担を軽減する狙いがある。
 町村官房長官は3日、公明党の北側幹事長、自民党の加納時男・原油価格高騰対策プロジェクトチーム座長と個別に会談し、原油価格高騰への緊急対策として、道路特定財源を活用した高速道路料金引き下げなどの提言を受けた。町村長官はこの後の記者会見で、政府の原油価格高騰対策を近く発表する考えを示した上で、高速道路料金について、「一定の条件下における引き下げはあり得ることだ。中身はいま、最終的に詰めているところだ」と述べた。

「一定の条件下」とは、深夜時間帯であったり長距離走行時の料金であったり、そういう限定をつけるということ。一律○割引というわけではない。こういった割引制度は長距離トラックに最適化されたものである。

根本的な誤りその1
高速道路は民営化したのではなかったのか?その料金の上げ下げを、NEXCOの経営陣抜きで話し合うというのはどういうことか。まぁ、これはきっと合法的なことなんだろうが、法律自体が間違っている。
根本的な誤りその2
軽油にかかる軽油引取税とガソリンにかかる揮発油税では、後者の方が税率が高い(軽油32.1円/リットル、ガソリン48.6円/リットル)。そして大型トラックはたいてい軽油を使うディーゼル車だ。つまり、一般車両からより多く集めた税金を、業務車両のためにより多く使うという、卑劣な不公平がある。
根本的な誤りその3
原油高で苦しんでいるのは物流業者だけではなく、一般ドライバーも同じである。燃料が値上がりして困っているのだから、燃料を値下げする方策をとればよい。つまり、税率を下げればいいのだ。

軽油引取税揮発油税も、「暫定税率」とかいって本則の税率の2倍の税を取っている。本則通りに戻すだけで、現在1リットル150円のガソリンが127円になるのだ。ガソリンが売れなくてガソリンスタンド経営は逼迫していると聞く。税率を下げればみんな喜ぶと思うのだが、なぜこんな回りくどいことをするのか理解に苦しむ。金が足りなくて困っているなら仕方なく払うが、道路を造らなくなって使い道に困っているのが実態。欧州各国の方が税率が高いから下げる必要はないとか、そんなことは関係ない。みんなから巻き上げて、一部の人にだけ還元するなどという話は許してはならない。