阪神優勝

いや今年は強かった。6回まで勝っていれば大丈夫だというようなチームは過去に類を見ないのではないか?それだけ、JFKの力はすさまじかった。とくに凄さを感じたのはF、藤川。今シーズン初めて阪神戦の中継を見たのは5月の中旬だったと思うが、その時の藤川のまっすぐを見て腰を抜かしたもんだ。「誰やこれ?FUJIKAWAて、藤川球児かいな!いつの間にこんな球放れるようになったんや!?」と。
とにかく、各選手がそれぞれの役割を理解し、それをしっかりと果たしたという点が素晴らしい。役割分担の効果とは、それを割り振ることで各人の負担が軽くなることだけではない。○○が仕事した、ほな次はオレの番や!とモチベーションを高める効果がある。そしてそれが機能してくると、○○はきっと仕事してくれる、だからオレはここをきっちりとすればええんや!という信頼関係を源とした新たな集中力も生まれる。さらに、こういったパターンの確立は相手に対する圧力になる。赤星を出してはいけない、金本を切らないと次は今岡だ、下柳は序盤で捕まえないといけない、ああウィリアムスが出てきた、次は藤川だ…。これの積み重ねが優勝への原動力となったのである。シーズンが進むにつれて強さを増していったのはこのような良循環、相乗効果というものが源である。
さて、今年ものすごく弱かった球団がある。名誉のためにイニシャルだけでGと示すが、Gが強打者をかき集めて弱体化したのはなぜか?小技のきく選手、走れる選手が減ったからだ。と言われるが、それだけでなく打者がみな4番に(あるいは3番に)固執し、それ以外の打順となった打者のモチベーションが殺がれたという点も見逃せない。
では、それが起きたのはなぜか?
Gの打者には(あるいはGという球団には)、打順とは打席に立つ順番ではなく打者としての順位、序列であるという考えが強いのではないか。五番打者としての役割よりも、「五番は四番より下」という意識が強いのではないか。下位を打つものについても、「オレだっていつかはクリーンアップ」と思っていないだろうか。
先発・中継ぎ・抑えについても、中には中継ぎに「降格」されたとか、先発に「再昇格」したいと思っているような投手がいないだろうか。
四番打者とは、もとい、四番を長く務めた打者とは。エースとは、もとい、エースを長く務めた投手とは。果たした責任の重さによって、意地が固まって意固地になってしまうものなのかもしれない。
ではGを再生するためにはどうすればいいのか?
ナックル使いの左腕や前方不注意で投げる左腕、やたら元気な外国産右腕あたりは中継ぎとして生きていく道が生きる道だと自覚している。むろん、それをさらに活かす使い方ができなかったという意味で、首脳陣の責任は重いのだが、彼らのような選手が増えてこないと継投は投手リレーとして成り立たず、9人の打者は打線として機能しない。シーズン後半から頭角を現してきた若手打者を、今後どのように育てるのか?2番打者のプロフェッショナルにするのか、恐怖の7番打者にするのか、それとも今まで通り「将来の4番」とするのか…。
新監督の手腕が問われる一年になりそうである。